ジストニアは舌、頸部、四肢、躯幹などにみられる突発的な筋肉の捻転やつっぱり、
痙縮あるいは持続的な異常ポジションで示されるような、筋緊張の異常な亢進によって引き起こされる症状の1群である。
この症状に含まれるものには、舌の突出捻転、斜頚、後頚、牙関緊急、眼球上転、ピサ症候群などがある。
ここでは筋緊張の亢進異常の程度を評価の対象とし、ジストニアで誘発される異常運動の程度はジスキネジアの項目で評価すること。
客観的に観察される症状の出現頻度やその重症度に重点をおいて評価するが、ジストニアのために被験者が感じる苦痛や日常生活への影響も考慮すること。
嚥下困難や舌の肥厚など付随する症状もこの項目を評価する際に考慮すること。
0=なし。
1 =軽微な筋肉のこわばり,捻転,異常ポジションがあるという印象。
2=軽度のジストニア。舌,頚部,四肢,躯幹にみられる軽度の捻転やつっぱり,痙縮,または軽度の眼球上転。被験者は必ずしも苦痛を感じていない。
3 =中等度のジストニア。中等度の捻転やつっぱり,痙縮,眼球上転。被験者はしばしばその症状に対する苦痛を訴える。迅速な治療が望まれる。
4=四肢や躯幹に認められる重度のジストニア。このため食事や歩行などの日常生活の活動に著しい支障を来す。可及的すみやかな治療の適応となる。